フルスタックエンジニアとは「何でもできるエンジニア」を尊称して言う言葉です。
たまに自称で「私はフルスタックエンジニアです」と言う人がいますが、初対面で技術力が分かっていない人に言うのは避けた方がよいです。恥をかくかもしれませんよ。
フルスタックエンジニア
イト屋です。
フルスタックエンジニアという言葉ができたのはいつなんでしょうか?
少なくとも2010年頃まではそんな言葉はなかったです。
言葉がなかっただけで「何でもできるエンジニア」は存在したわけですが。
フルスタックエンジニアの定義は?
Googleで調べてみても、これと言った定義はないように思います。
ある部署の全ての仕事を誰よりも上手にこなせる人が「フルスタックエンジニア」と呼ばれるようです。
例えば、設計部署ではれば、「要件定義」「外部設計」「内部設計」「プログラム」「単体テスト」「システムテスト」を全て誰よりもできる人は「フルスタックエンジニア」と呼んでいいでしょう。
あるいは、「ネットワーク設計」「データベース設計」「ユーザインタフェース設計」「AWSの設計」を全て誰よりもできる人でもよいと思います。
普通、一つのことに突出した技術がある人をエンジニアと呼びますが、いろいろな技術が突出している人のことを「フルスタックエンジニア」と呼ぶようです。
何となく語に矛盾がありますね。この矛盾がそのまま日本社会の矛盾となります。
フルスタックエンジニアにはどうやってなるのか?
「フルスタックエンジニアにどうやってなるのか?」
という疑問に対して、、「方法はない気がする」が答えです。なろうと思ってもなれません。
フルスタックエンジニアになる方法 その1
エンジニアである部分で技術力が突出するには、莫大な努力と経験が必要です。
「新入社員が、最初に任される仕事を他の誰よりも詳しくなるのにどれくらいかかるか?」と考えてみて下さい。
優秀な人でも数年かかります。10年くらいたってやっと専門家と言えるようになる人だっています。
複数の分野で専門家になるには、やはり時間がかかるんです。
1個目の分野で専門家になるのに3年かかったら、2個目はもっと短くてすむかもしませんが、数週間ということはないでしょう。
4つ、5つの分野で誰よりも仕事ができる、という状態になるには10年、20年かかって当たり前です。
1個目の分野で専門家になると、その分野に留め置かれることが多いので、フルスタックになるのに10年というのも短いのかもしれません。
というか、1つの分野で専門家と呼ばれるようになったら別の分野の仕事をやらされるって、何の罰ゲームですか?その会社、すでにブラックではありませんか?
フルスタックエンジニアになる方法 その2
同時に複数の仕事を与えられその複数分野で短期間で突出する、という職場はブラックです。
例えば、3年で10年分働くというのは、人の3倍以上の働く(長時間の残業をする)ということです。
それを強要するブラックな職場であれば短期間でフルスタックエンジニアになることはできます。
10人に1人くらいはフルスタックエンジニアになって、9人は鬱病になるような職場かもしれません。
しかし、そのような職場で働きたいですか?
フルスタックエンジニアになる方法 その3
自発的にフルスタックエンジニアになろうとするならば、上記のようなブラックの状況を自分で作り出すことです。
どんな状況でしょうか?
ある会社に入って数年でその部署の誰よりも仕事ができるようになる
その会社を辞めて、異なる分野の会社に入って数年でその部署の誰よりも仕事ができるようになる
意図してできることでしょうか?
自分から灼熱の海に飛び込んでやっと泳げるようになったら、凍えそうな流氷が浮かんでいる海に飛び込む、、、を繰り返す。
ダイヤモンドのメンタルを持っていると思われます。メンタルが豆腐なイト屋には無理です。
フルスタックエンジニアは売れる
意図したか意図せずか、フルスタックエンジニアになってしまった方、おめでとうございます。
フルスタックエンジニアは重宝されます。引く手あまたです。
当たり前です。一つの分野に突出していても職があるのですから、複数で突出していれば大人気ですね。
転職などいかがでしょうか?
特に、一つの企業でフルスタックになった方、つまりブラック企業にお勤めの方、収入が上がる可能性が高いですよ。
フルスタックエンジニアの自称は変か?
「私はネットワークエンジニアです」は「私はネットワークについて誰よりも詳しいです」
を意味します。
「私より詳しい人はいると思いますけど、エンジニアとしての覚悟を示しているんです!!」
みたいな感じで名乗られると、頼りがいがあるな、と思います。
しかし、
「私はフルスタックエンジニアです」
というのは
「私は複数の分野で誰よりも仕事ができます」
ということですよ。どういう覚悟をしたらこんな発言ができますか?
数十年の経験があるエンジニアであればよいかもしれませんが、少なくとも若い人が初対面の人に言うべきではありません。下手をすると馬鹿扱いされると思います。
飲み会などで冗談っぽく「あのブラックな会社に10年もいたからフルスタックエンジニアになっちゃったよ。鬱病にもなっちゃったけど」みたいな発言ならいいですけど、
真顔で「私はフルスタックエンジニアです」と言うのはやめてください。私は冷笑しかできません。
まとめ
フルスタックエンジニアについて、ダラダラと思うところを述べてみました。
フルスタックエンジニアというのはなろうとしてなるものではないです。
絶え間ない努力と様々な経験によって、尊称されるものだと思います。
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