メーカーや企業の研究所などではITエンジニアでも特許を書きます(書かされます)。
世界で初めての大発見、ができればいいですが、世の中はそんなに甘くありません。
初めて特許を書く方に、特許はどういう流れで書くかを説明します。
特許入門
イト屋です。
ITエンジニアが書く特許入門です。
メーカーや企業の研究所などではITエンジニアでも特許を書きます。
研究所は特許を書くのが仕事みたいなものですので説明は不要かもしれません。
メーカーでは碌な工数も与えられずに、プロジェクトが始まって数か月すると「特許は書いた?」みたいなことを言われます。
「知識を時間も与えられていなんだけど!!」と言う思いを胸に秘めて悶々と過ごしているかもしれません。
特許なんかのために時間をかけられない忙しいエンジニアのために、さくっと特許を書く流れを説明します。
世紀の大発見をしようとする人のための記事ではありません。今日、残業せずに乗り越えようとするエンジニア向けですので、そこのところよろしくです。
- どういう流れ?
- アイデアを出す 製品を眺める、組み合わせる、リソースに注目
- アイデアシートを作って
どういう流れ?
特許を書く流れを説明しておきます。
- アイデアを出す
- アイデアシートを作って弁理士さんに依頼
という流れになります。
その後は、弁理士さんが明細書を上げてくるのでチェックして出してもらうだけです。
アイデアを出す
特許のアイデアを出します。
取り組んでいる製品の中の機構に先進性があればそれを特許のアイデアとしましょう。
何ら先進的でなく普通の技術しか使っておらず、斬新さもなく平凡なことがほとんどですね。
※先進的で斬新な製品に関わっている方はそれはそれは幸福です。ITの神に感謝しましょう。
どうやってアイデアを出すか?以下のようなものを手掛かりにします。
- 製品を眺める
- 組み合わせる
- リソース、性能に注目
まず製品のシステム構成図をぼんやり眺めましょう。何もないところから素晴らしいアイデアなど湧いてはきません。まずそこに存在するものに注目です。
「組み合わせる」という発想が重要です。「製品A」も「XXをする」はどちらも世の中で知られているとしても、「製品AでXXをする」というのは世の中で知られていない可能性があります。
単に組み合わせるというより目的を持ちましょう。目的は、リソースまたは性能になることがほとんどです。
- ディスクIOを減らすため
- 使用するメモリ量を減らすため
- スループットを上げるため
- XXXの性能を上げるため
結果的に「PPPをするため~~システムAでXXXする」みたいな文章を書ければアイデア出しが終了します。
ブレスト形式でいろいろやれば2つ、3つアイデアが出るかもしれません。やってみてください。
アイデアシートを作る
弁理士であれば次は明細書を書くんでしょうが、弁理士の資格などないでしょうから(あればこの記事は読まなくていいです)、弁理士さんに「こういうアイデアの明細書を書いてください」というアイデアシートを書きます。
アイデアシートはそんなに難しいものではありません。
「PPPをするため~~システムAでXXXする」を特許用に絵をかきます。
仕様書のような図と共通するものもありますが、若干違います。
- システムAの絵をかく
- PPPができない、という現状を書く(これも絵をかければベスト)
- システムAでXXXをするという絵をかく
- フローチャートを書く
フローチャートを仕様書で書かなくなって久しい人が多いかと思いますが(若い人は知らないかも)、特許ではフローチャートを好んでかきます。
ものを作るわけではなく特許用ですので、「時代遅れのフローチャートなんか書きたくない」などと言わずに、割り切って書いていきましょう。
「PPPをするため~~システムAでXXXする」というアイデアをしっかりと伝えることができればよいかなと思います。
普通は、弁理士さんに説明して、足りない絵を書いて欲しい、と言われますので、補足する絵をかいて仕上げていきます。
ITエンジニアの仕事はこれで終了です。弁理士さんにアイデアをきっちり説明できれば、あとは弁理士さんが明細書をしっかりと書いてくれます。
まとめ
今日残業しないと決めたITエンジニアにとっての特許は、
「PPPをするため~~システムAでXXXする」を作って説明することです。
慣れると楽しいかもしれません。楽しいなら研究所などが向いている可能性もありますね。
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